君と、僕の恋


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こつこつ、と窓が叩かれてる。

それで目が覚めた。

時計を見ると、まだ7時…。
こんな朝っぱらから、誰よ。

……って、1人しかいないか。


「香奈、雪だぞ」


窓を開けると、めちゃくちゃスマイルで拓がいた。拓って、早起き。

てか、今頃雪って…


「えー?興味ない」


この寒いのに、拓はなんでこんなに元気なんだろ。私にもその元気を分けてほしいよ。

ぼさぼさの頭を櫛で梳きながら、目を無理矢理醒まさせる。

――あー。でもまだ眠い。
こんな時間に起こさないでよ…。


「香奈!」

「だからぁ、…わ?!」


視界が一瞬真っ白く。
その刹那後、ひんやりと冷たいものが頬に触れた。


「可愛いだろ」


私の目の前には、小さな雪だるま。
それは私の目の前から移動して、窓の桟にちょこんと座った。朝日に照らされて、きらきら、綺麗。

拓はへへ、と笑い、真っ赤な鼻を擦ってた。トナカイか。


「可愛ぃ…これ拓が?」

「うん。だから香奈、おいで」


拓は窓の桟に手をついて、私を手招きする。早く早く、と。

そんな拓を、毎回いじめたくなっちゃう私は地味にSなのかも。


「……やだ」


えぇ? と、ちょっとオーバーにリアクションした拓が、可愛かった。

私は拓の頭を撫でながら、耳元で「うそだよ」と小さく言う。


「へっ、」

「一緒に遊ぼう、拓」


そっと触れた拓の顔、冷たかった。こんなに冷えるまで私を待ってたんだ。

ごめんね、拓。


「香奈の手、温かいな」

「拓が冷たいんだよ」


かもな、って私の手に触れながら、拓は笑ってた。

拓は手も冷たくなってる。


「待っててね、着替えるから」

「あは、生着替えか?」

「ふふっ。私の着替え見てく?」


って言うだけで赤くなっちゃう拓が、可愛くて大好きだ。


意外と純情な拓は、私の手を握ったまま硬直してしまった。


「ちょっと、拓?」

「…香奈、他の男にそーゆーこと言うんじゃねーぞ」


ばか、と頭を叩かれた。


「……痛いです」


拓、本気で叩いた。そんだけ、本気で言ったんだろうけど。




「んー…拓ー」

「なんすか」

「手、放して?」


拓はまだ私の手を掴んだまま。
拓の瞳もずっと私を捉えたままだ。

私の言葉を聞いても、首を軽く横に振るだけで放してくれないし。


「香奈、」そっと、静かに拓が言う。「俺、香奈の手好きだ」


また、へへっと拓は笑う。


その笑顔は――‥反則。


だったらさ、私はね


「拓の笑顔が大好き」



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