君と、僕の恋


( ユァ ブラウス 1/1 )



オレンジ色のカーテンが目に付く。天井は白。真っ白……とは、言い難い。すこうし黄ばんでいる。
ていうか、あたしの布団がない。
ちらりと横を向いて、舌打ち。


「っっ、さいっあく!」


あたしは思わず怒鳴る。非常識なカレ 篤彦が隣でぐうすかと寝てるから。いや、隣でぐうすか寝るのは構わない。問題なのは、服装。とぉっても奇抜な、おかしな服装だった。


「なんで制服なのよ!」


しかもあたしの制服!篤彦は小柄だけどさ、でも人の制服着るなっ!
しかもなんでこの人は起きないの?このあたしが大声出してるって言うのにッ。


「篤彦!起きろーっ」


ふうっと耳に息を吹きかけてやると、手で耳を押さえ、くすぐったそうにする。――‥しかし、起きる気配はない。

顔を軽くたたいたところで、やっと薄目が開いた。


「あ、しょおー……?」


寝言かと思ってたら、ガシッと手首を掴まれ、気がついたらキスされてた。


「おはよん。昌子。朝からちゅー、ごちそーさまでした」


べろりと口から覗く赤い赤い舌が、艶めかしいというか。篤彦の目は、全然今まで寝ていた気配がない。
――まさか、ずうっと起きてた?
だったら意地悪なヤツだなあとのんきに思っていた。――ら、今度は組み敷かれていた。


「ねえねえ、しょお。俺、おまえの制服ピッタリだった」

「だ、から…?」

「しょおも俺の制服着る?」


にかっとあたしのバイトの制服――ブラウスだけだけど――を身にまとった篤彦が笑う。やらしく、笑う。


「だからさ、脱げよ」

「は?!」


いやいやいや、篤彦があたしのブラウスを脱ごうよ。バイト行けないじゃん。あたしがさ。
とか思っているうちに、ひとつひとつ丁寧にあたしのパジャマのボタンを外されてた。手が押さえつけられてるから、抵抗のしようがない。


「しょおさ、今日バイト?」

「17時から」

「じゃあコレ、シワがつかないようにしないとね。暴れんなよ」


えーと、カレは正気か?
篤彦の手はやっと一番下まで到達し、パジャマが脱がされる。――ヒートなんとかなんて着なきゃ良かった。ダサめに黒いヒートなんとかが見え隠れする。
それを見た篤彦の手からは力が抜けていき、苦笑している。


「色気なさすぎだよ」

「寒いんだもん」

「あー萎えた。」


勝手なヤツぅっ。とツッコミをしつつ、内心少しだけ安心していた。


「昌子、女の子はいつ脱がされても良いような恰好して寝なさい」

「篤…そんな恰好で言われても」


ひひっ、と篤彦は笑う。もともと背も低いし童顔だから、笑うと中学生くらいに見えたり。――‥その笑顔も篤彦のことが好きな要素だけどさ。


「でもしょお、抵抗しなさすぎ」

「篤が手首押さえるから」

「そーかそーか、てっきりしょおは俺に抱かれたいのかと思ったよ」


くははと、また笑う。そのたびに、ドキドキ。あたしを"しょお"と呼ぶたびにも、実はずっとドキドキ。
「その通りだよ馬鹿野郎」と言いたいところだったけど、身の危険を案じて言わなかった。


「さって、俺のコレどうしてくれる」

「萎えたんじゃないの?」

「しょおの鎖骨色っぽいから」


背が低いくせに、妙に低い声をしている篤彦の声。そんな声で囁かれたらたまったもんじゃない。背筋がぞぐぞぐと反応してしまう。


「1回ならいいだろ?」

「篤彦はエッチだなあ」


そう苦笑しながら篤彦の首に腕を絡ませると、にたりと篤彦は笑う。
あたしなりのO.K.サイン。
それに気づいた篤彦は、私のブラウスをヨレないように脱ぎ、畳み、枕元にそっと置いた。


「しょおこそ、ノーブラだし」


私の胸の膨らみを見ながら篤彦は言った。



( 「あのブラウス、俺の匂いつけといたからなー」
 「か、勝手なことしないでよ!」
)


ユァ ブラウス
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