君と、僕の恋


( 強引kiss 1/1 )



「好きにさせたいなら、無理矢理キスしちゃえば」と誰かが言ってた。

それに「誰がするか、ボケ」と答えてたような気がする。

今ならその誰かの言ってた意味、分かるかも。




「ちょ、と‥!」


壁に押さえつけられた由璃は俺をギリっと睨みつける。

その、反抗的な眼は。


――逆効果だよ、由璃。もっと可愛く思えちまう。
俺をもっともっとそそる。


「雅斗ッ!離、して…っ!」

「離すかアホ」

「こんな事してなんになるの」


――オマエが、俺を好きになる?

誰かの言うことではそういうことだろう?

キスひとつで、変わる感情。


恋ってそんな淡いのかい?



逃げようと由璃の細腕が俺の腕をどかそうと掴むが、動くわけない。

腕力の差、知らねえの?

其れを見て俺は笑う。


「よっわ。気ぃ強くて男みたいなクセに、力は女の子なんだな」

「な…っ」

「そーゆとこが可愛い」


そう、これが、好きだ。

普段強がってるクセに。

甘い言葉をかけると、頬を赤らめてうつむきやがって。

たまんねーんだよ。


「オマエがわりぃんだぞ」

「意味わかんない…離して」

「ヤだ。」


べ、と舌を出す。

由璃の耳にそれを這わすと、「んっ」と甘い吐息が漏れる。

――嫌がってるクセに感じちゃって。

ますますいじめてーよ。


「…雅斗、なんで?」

「知らん」


好き、だからに決まってるだろ。

オマエが俺を好きになってほしいんだよ……。


ごち、とおでこをぶつけると、由璃までの距離が一気に縮まる。

俺が少し顎を動かせば、由璃の唇に触れるくらいにまで。



「…由璃、目ぇつむれ」


ふぅ、と由璃はため息。

諦めたように目をつむった。

長いまつげが揺れる。


「雅斗がこんな強引なんて、思わなかったな…」

「そのギャップが良いだろ?」


そだね、と少し薄目を開けて由璃はつぶやく。

生き物の様に動く由璃の唇。

みずみずしい、潤った唇を。

誘ってんのか、コイツ。


少し顎を動かし、俺の唇と由璃のそれを重ねさせる。

由璃曰く、強引に。


「ぁ…っ」


甘い甘い吐息。

嗚呼、身体が痺れるよ。

そっと手が胸板に触れた。

俺を、受け入れるように。

ただそんなことしない。
させない。


「…っは、由璃」

「…キス上手いんだね」

「オマエもな」


くすりと由璃は妖しく笑う。

なんだ、また誘ってんのか?

俺のネクタイまで掴んじゃって。

とろんとした、上目遣い。


あー 誘ってる、コイツ。


「…あん時。由璃、誘ってたのか」


「無理矢理キスをしてしまえ」と言ってたとき。

オマエは――‥一体。



「バレた?」

「俺の想いもモロバレか」



もう一度、
ごちんとおでこをぶつけた。

じっと由璃に見つめられる。

目くらい、つむれ。


ドキドキして、

キス

できねーだろ?


( 舌はまだあげねーよ。 )


強引kiss
(100218)


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