君と、僕の恋


( ねこみみフード 1/1 )



可愛い背中が見えた。

フードにねこみみ付いてる。

――んじゃない。

近づいてみると、そのねこみみは本物のねこの耳だった。


「佐藤!」

「ご、ごめんなさいっ!」

「はは、俺だよ」

「え? …なんだぁ、洋くんか」


振り向いた佐藤は、ホッと胸を撫で下ろしていた。

しっかし、フードにねこを入れてなにをしているんだ、佐藤は。

新しい散歩法なのかな?


「それ、なに?」

「なにって…えーと」

「ねこだよな? 佐藤、ねこ飼ってたんだね」


フードから飛び出すねこの頭をそっと撫でた。

みぃみぃと鳴く姿が可愛い。

まだちっちゃい。
こどもなのかな。


「お、お散歩中なんだ」

「さ、散歩……?」


ねこってフードに入れて散歩すんの?

ってか、ねこって散歩するもんなのかなぁ?
そんな人、見たことない…。


「佐藤、つくならマシなうそをつきましょう」

「うーっ……洋くん、このコの里親になって!」

「えぇ?!」


さ、さ、さ、里親ぁ?!


「えっと、なに? 話しがよくわかんないんだけど…」



* * * * * * * * * *


「――‥なのですよ、はい」


話を要約すると、佐藤が散歩をしてたらみぃみぃ鳴く段ボール(ねこ入り)を見つけ、優しい佐藤は家に持って帰った。

しかし、佐藤の親父さんはねこアレルギーだから不可。

で、フードに入れてふらふら歩いてたわけだ。


「へぇ…で、俺にこいつを飼えと」

「うん…だめ?」


だ、だめだっ!

佐藤とねこが可愛すぎて断れぬ…!

くりっくりした目で見るな…!

う、う、う……


「もちろん飼うぶぇ」


噛んだ!
かっこよくキメようとしたら噛んだし……!恥ずかしい……。

親指立てて「飼うぶぇ」って、何人だよ、俺。だっせぇ。


「あはは、洋くん、面白い」

「は、はは…」


ウケた。
結果オーライだ。


「じゃあはい、名前付けてあげて」

「お、おー…」


かっ、可愛いしちっちゃい!
なんか佐藤みたいで可愛い!

名前かー、迷うなー。

そうだ。
佐藤に似てるんなら、


「くるみ…」

「ん? あ、そのコ男の子だよ」

「うぇ?!はは…じゃあジョン」

「か、かっこいい名前だね…」


ジョンて!俺!
アメリカンかよ、コイツっ。
自分のネーミングセンスを疑った。


「じゃ、じゃあジョン宜しくね」

「うん。可愛がるな」


ジョン。かあ。
はあ。

走っていく佐藤の背中を見つめ、家ではこっそりジョンのことをくるみと呼ぼう、なんて思った。

ある晴れた日のことだった。


( ちなみに、佐藤は美瑠玖なんてハイカラなお名前だったりして )


ねこみみフード
(100331)


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