君と、僕の恋


( 食いかけメロンパン 1/1 )



「隣、いい?」

「あ……はい」


誰だろ?
ちょっとイケメン。

――いかんいかん。

授業に集中しないと。

てか、この人。
めっちゃ遅刻してきたよね…?
先生にバレてないし。
なんかすごい人。


「先生にはしーっ、だよ」


人差し指を唇に当て、じっと見つめられる。
顔はすっごく大人っぽいんだけど、仕草は子供っぽく見えるな。

私はその眼力に気圧され、ついつい頷いた。


「君はいい子だな!」


ちょっ……声でかい!
早速先生にバレたし…。
あーあ、私のせいじゃないぞ。


「おう、勝間。いつからいた?」

「えー…最初っから」

「嘘つくなー。1点減点」

「そんなぁ〜」


先輩?らしき人は、そのまま机に前のめりに倒れた。

そんな動きを見て、やっぱりこの人は子供っぽいなって思った。


「酷いね、先生。あ、俺2年の勝間っす。君、1年?」

「はい。1年の町田です」

「敬語やめてー。むず痒いよー」

「勝間、遅れて来たくせにすっげぇうっさいぞー」


あぁ…また怒られた。
しかも今回は私も悪いかも..。


「すんません、黙ります」


勝間さんはさらさらとノートになにかを書き、ビリッとそれを破る。
その紙を私に見せた。
それには、


"町田ちゃんといっぱい話したいな"


とか、書かれてた。

私と、いっぱい、話したい?

え、それって、
深い意味とか、
含まれてたりする?!

ちらりと勝間さんを見てみると、目が合ってしまった。
にっと微笑まれる。

――なんかっ、
すっごい可愛い!

胸もドキドキしてるしっ。

もう授業どころじゃないよー!


* * * * * * * * * *


「あの先生の講義、人少なすぎだよね。俺と町田ちゃんと他5名って」

「ですね…」


な、なにを話せばいいんだろ。
勝間さんはメロンパンをドカ食いしてるし……。


「だから敬語ー」

「んっ、すみません…」

「まあいいや。食う?」


勝間さんの食いかけメロンパン…!

え、狙ってる?
それとも、天然?
後者の方が濃厚そうだなあ…。

いやそれは置いといて、
どうしよう…。
おなか、空いたなあ。
私、メロンパン大好きなんだよね…。

そんな言い訳をして、元気よく


「くっ、食います!」


って言ってみた。

でも、メロンパンは取り上げられてしまった。


「やっぱだめー。敬語使う子にはあげませーん」

「えー!なにそれ!」

「ははっ、いい反応。こほうびにあげるよ」

「えっ…?」


勝間さんがさっきまで食べてたメロンパン(袋ごと)を渡された。

――私、勝間さんに翻弄されてる?

勝間さんペースにどっぷりはまってるみたいだし……。


「んじゃ、町田ちゃん、またね!俺に逢いたかったらサッカー部にカモン。マネージャー募集中だからー」


勝間さんはぴょんと立ち上がり、グラウンドの方へと行ってしまった。


これは。――まさか。勧誘。


「はあぁ……。」


食いかけメロンパンと、淡い淡い恋心を残された私。


来週からあの講義をどうやって受けようか、そしてこのメロンパンをどうしようか。


頭を悩ませるばかりだった。


( とりあえず、グラウンドに向かって歩いてみた )


食いかけメロンパン
(100408)


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